旧白銀荘
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旧白銀荘

正式名 : 旧白銀荘
「十勝岳での雪の仕事のことは今も度々思い出されるのであるが、その印象は美しいことばかりのようである」(中谷宇吉郎『雪』より)
現在の白銀荘は、吹上温泉保養センターとして天然温泉をだれもが楽しめる施設ですが、もともとの「白銀荘」は1933(昭和8)年1月に北海道庁の施設として建てられました。物理学者・中谷宇吉郎(なかや うきちろう)博士が、雪の結晶の研究のために1933(昭和8)年12月からたびたび訪れた場所でもあります。
雪の結晶を詳しく観察すれば、上空の気象条件を知る手がかりになるはずです。白銀荘の完成を知った中谷博士は、標高約1000メートル、冬の気温がマイナス10~15℃というこの場所に注目します。雪の結晶がつぎつぎに舞いおり、とけることのないこの地は、雪の研究にうってつけです。白銀荘で様々な雪の結晶を観察した中谷博士は、2年後の1936年3月12日、札幌の研究所で世界で初めて人工雪を作ることに成功しました。
「雪の結晶は、天から送られた手紙である」中谷博士のとりくみは、岩波文庫『雪』にくわしく書かれています。
所在地北海道空知郡上富良野町吹上
アクセス上富良野町営バス「吹上保養センター白銀荘」停留所下車すぐ
観察地点43°25'54.00N/142°38'33.50E(43.431667/142.642639)
マップコード796 032 467
立入○ 外観のみ
トイレ○ 車椅子対応
駐車場○ 無料
バリアフリー情報○ 自動車の車内からの見学をお勧め (建物入口に階段があるため車椅子で到達不可)