ヌッカクシ富良野川の最上流部、三段山、上ホロカメットク山、上富良野岳に囲まれる谷間がヌッカクシ火口です。「安政火口」とも呼ばれますが、安政年間に噴火した証拠は見つかっていません。
ヌッカクシ火口では、過去3000年間に少なくとも3回の水蒸気爆発がおきました。いずれも小規模な噴火で、噴出物は十勝岳温泉までしか到達していません。1961年にはヌッカクシ富良野川の水が濁ったことから、このとき小規模な火山活動があったようです。噴気活動が現在も盛んなため、火山活動の監視対象となっています。ヌッカクシ火口の熱活動により十勝岳温泉地域の温泉が生成されていると考えられ、ヌッカクシ火口の火山活動により温泉の温度や成分は変化します。
十勝岳温泉から歩いて1時間ほどのハイキングで、火口の中に簡単にアクセスでき、盛んな噴気活動を体験できることから、十勝岳の火山活動を学ぶ・考える上で重要なサイトです。また、凌雲閣や翁温泉など自然湧出している温泉が利用でき、火山の恵みを実感することもできます。