大正泥流の地層
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大正泥流の地層

正式名 : 草分の大正泥流堆積物
1926年5月24日におきた十勝岳の噴火は、噴火口付近に積もっていた雪をとかし、爆発後30〜50分で上富良野市街まで泥流が流れ下りました(大正泥流)。
この地点では、
[上] 泥流災害後に農地復興のために入れられた土の層(客土)
[中] 1926年5月24日の大正泥流の地層(砂利を含んだ地層)
[下] 上富良野で農耕が始まって以来の30年間(1897~1926年)の耕作土の層(黒土)
の重なりを観察できます。
1926年の噴火は、泥流の発生によって、上富良野町の農地や市街地において甚大な被害をもたらしました。上富良野町および美瑛町(十勝岳ジオパーク地域)で、次のような被害がありました。
●死者・行方不明者
 上富良野町:137人(うち18人は行方不明)
 美瑛町:7人(うち3人は行方不明)
●罹災者総数
 上富良野町:1401名(当時の推計人口は10,026人)
 美瑛町:600人(当時の推計人口は12,280人)
●罹災戸数
 上富良野町:315戸(当時の推計戸数:1507戸)
 美瑛町:86戸(当時の推計戸数:2138戸)
●被害総額
 上富良野町:約195万円(1925年の財政規模:約11万円)
 美瑛町:約6万円(1925年の財政規模:約11万円)
そのほか、農業へも大きな被害がありました。泥流におおわれた農地は多量の硫黄分を含む酸性の土砂と流木に埋めつくされ、一時は植物の育たない土地となりました。農家の人々は流木や土砂をとりのぞいたり、他の地域から土を運んできたりと、大変な苦労をして農地を復興させました。
大正泥流をめぐる当時の人々の様子は、三浦綾子の小説「泥流地帯」「続泥流地帯」に生きいきと描かれています。
所在地北海道空知郡上富良野町北町
アクセスJR富良野線「上富良野」駅下車、徒歩18分 (1.4km)、道道291号線脇の畑の畦
観察地点43°28'32.00N/142°27'54.00E(43.475556/142.465000)
マップコード349 491 697
注意情報交通量の多い道路脇にあるため、交通事故に注意。 また、車両の駐車スペースがないので注意。
立入
トイレ×
駐車場×
バリアフリー情報× 未舗装傾斜地のため車椅子で到達不可