大雪山から来た火砕流
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大雪山から来た火砕流

正式名 : 天人峡の御鉢平カルデラ火砕流堆積物
美瑛町と東川町の境界を流れる忠別川の上流部、忠別湖(忠別ダム)から天人峡温泉にかけて、柱状節理の発達した「溶結凝灰岩」が連続しています。この「溶結凝灰岩」は、大雪山・御鉢平カルデラ(北海岳・間宮岳・中岳にかこまれる凹地)が、およそ3万年前に大噴火したときに発生した火砕流の堆積物です。
火砕流は、高温の火山灰や岩石、火山ガスなどが一体となって、高温・高速で山を流れ下る現象で、灰色の雲が地表を流れるように見えます。もともとの火砕流堆積物は、軽石や火山灰などのやわらかい物質でできていますが、マグマの熱と堆積物自体の重さで押し固められて、かたい岩石(溶結凝灰岩)になりました。さらに、この岩石は冷えて固まるときに収縮した(ちぢんだ)ために、縦方向にたくさんの割れ目(柱状節理)ができました。
忠別ダム~天人峡でみられる火砕流堆積物(溶結凝灰岩)は、含まれている成分(鉱物や化学組成)の違いから2種類に分類できます。天人橋付近では、2種類の堆積物の間に、川が運んできた砂利の地層がはさまっています。このことから、御鉢平カルデラはおよそ3万年前に2回の大噴火を、少なくとも100年の間をあけておこなったと考えられています。
所在地北海道美瑛町字天人峡
アクセス公共交通機関なし / 宿泊施設利用の場合、旭川駅から送迎バス有 / 北美瑛駅から、車で30分 (28.5km)
観察地点43°37'13.00N/142°46'43.00E(43.620278/142.778611)
マップコード796 738 147
注意情報川沿いの露頭のため増水に注意する必要がある。 露頭に張り付く際には、落石と滑落に注意が必要。
立入×
トイレ×
駐車場○ 無料35台
バリアフリー情報○ 車椅子で見学可能 (駐車場所によって一部段差があるので移動注意)