十勝岳ジオパークエリア内でみられる「丘」は、まさに北海道らしい景色といえるでしょう。この丘のもとになっているのは、約200万年前の美瑛火砕流堆積物と約125万年前の十勝火砕流堆積物です。
さらに、「なだらかな」斜面が作られたのは、北海道ならではの寒冷な気候が関係しています。北海道の大地は、冬に凍り、春にとけることを、毎年くりかえしています。
土や岩石の中に水が含まれていると、凍りついたときに体積が増え、土や岩石の中にひび割れができます。この氷がとけると、ひび割れにそって土や岩がくずれやすくなります。
このように、地面が凍ったりとけたり(凍結融解作用)を繰り返すことで、岩石が少しずつ細かくなり、地形がなだらかになるのです。とくに、過去100～200万年の間には、「氷期(氷河期)」と呼ばれる今より寒い時代が何度も来ているので、現在よりもはげしく土砂が動いていたと考えられます。