東日本大震災を経験され、現在各地の災害支援活動に取組まれている「キャンナス東北の山田葉子」氏をお迎えし、美瑛町婦人団体連絡協議会、上富良野町女性連絡協議会の共催で開催することができました。
地域普及部会 和田会長から、「コロナ5類」移行を受け、これまで延期してきたジオパーク活動を開催していきたいと挨拶。
美瑛町婦人団体連絡協議会 西森会長から、東日本大震災のときに「美瑛町への旅のプレゼント」がご縁となり、「山田葉子さんを講師」にお迎えしてワークショップを開催することできました。この機会により「想定外という問題を少しでも少なくしていく」ために、ご家族や職場の皆様とこうしたことを話し合うことの契機へとつなげていきたいと挨拶。
ワークショップテーマ ~身近な備蓄を考えよう!~
課題1【実体験から様々な「トイレ」を考える】
これまで、対話型のイベントがなかなか開催できませんでしたが、それぞれ課題を解消するためグループ内で様々な意見がだされました。
トイレ問題では「使用できる数や場所、和式・洋式別、男性・女性・だれでも使用できる、多目的トイレの有無」などが問題として提案されました。途中で新たな条件「水道・下水が使用できない」が加わり、最終的には汚物処理が課題となりました。また、衛生面の問題を解消するために水を確保すること、携帯トイレの使用方法がわからないという意見がありました。
課題1の問題を解消するための主な意見
課題1 |
問題や心配となること |
新たな条件で追加すること (水道・下水が使用できない) |
避難所のトイレ |
・トイレの数 ・多目的トイレ ・使用ルール(衛生面) |
・水の確保 ・消臭の処理 ・汚物の処理 |
仮設トイレ |
・水洗トイレなのか ・設置場所(冬期)との距離 ・臭い対策 ・男性・女性・共用別 ・多目的トイレ、和式・洋式別 |
・水の確保 ・汚物の処理(汲み取り作業) ・冬期の暖房 |
携帯トイレ |
・汚物の処理は ・介護等を必要とする場合は ・プライバシーの保護 ・使用方法がわからない |
・消臭の処理 ・汚物の処理
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講師アドバイス
学校など避難所となる施設に「バリアフリートイレ」があるか事前に確認すること、
無い場合は防災トイレなどを設置して回収する作業を防災訓練などで取組むことも必要。避難所における「臭い」対策のため、是非、消臭スプレーや芳香剤などを用意してほしい。また、災害の規模により水や下水・電気が使用できない状況も想定した備蓄をみんなで考えて、「これがないと不安」という災害時の問題を解消するための見直しを図ることが大切と指摘されました。
ダンボールベッドと携帯トイレを確かめましょう
課題2【家庭で備蓄している「非常食」を考える】
家庭にある非常食は「カンパン、缶詰、長期保存レトルト食品、水、保存用パン、チョコレート、カップ麺等」で、それを食べるためには「お湯、はし、スプーン、なべ、やかん等の調理器具」が必要。そして、新たな条件「電気やガスが使用できない」ことが加わり、最終的に「そのままでも食べられるもの、カセットコンロ」などが提案されました。
課題2 持ってきた非常食 |
問題や心配となること |
新たな条件で追加すること (電気とガスが使用できない) |
カンパン、缶詰、長期保存レトルト食品、水、保存用パン、カップ麺 |
・水やお湯 ・はし、スプーン ・紙皿、紙コップ ・なべ、やかん等の調理器具 |
・そのままでも食べられるもの ・カセットコンロ ・鍋ややかん ・ビニール袋、手袋 |
講師アドバイス
食べることで注意すべきことは、食べたあとの「ゴミ」の処理です、食べたあとの処理をしないと「虫が湧く、臭いが出る」などの問題が出るため、ゴミを少なくする工夫が必要です。
まずは、水や電気がない、ライフラインを使用しないで食べられるものからスタートして、ライフラインが使えるようになったときに、階段を登るように過ごし方も変えていくように考えると、少し余裕というものが生まれると思います
「食べること、食べたら出すこと、食べたあとのゴミを処理する」までを総合的に考えることが重要
ワークショップ講評
防災は一回用意すれば終わりではなくて、継続していくことなので、負担を強いるものであれば無理がある、自分たちのできることをコツコツ続けていき、自分ができないことをできている人とお友達になってください。その補いが相互の情報交換や物資のやり取りが容易となります、そして今回が自分たちの地域や家庭での備蓄の見直すきっかけとなり、慌てないで準備することが防災の第一歩と考えます。
上富良野町女性連絡協議会 村上会長から、防災について、身近な問題として気付くことができ、また、新たな課題も見つかりました。こうした取組みを家庭や職場のみなさんと話し合いながら、災害に強い地域づくりを目指していきたいと思いますと挨拶。