2月4日は「立春」です。「雪博士」として知られる、物理学者の中谷宇吉郎が著作した随筆「立春の卵(1947年)」立春の日に、卵の尻を割らずにそのまま立たせてみせる、という実験を衆目の前で行ったことが書かれた随筆を読み、興味を持ち生卵を立てる実験をしました。
◆「たまごの立つ話」中谷宇吉郎 より引用
卵の殻の表面は小さいでこぼこがあり、ざらざらしています。このなかの三つの凸点によってできる面積の中に卵の重心からおろした垂直線が落ちれば、ゴトクの三本足の役目をすることになり卵は立つことになります。そのことを顕微鏡で卵殻を観察したり、力学計算をおこなったりして、立春でなくとも、誰でも卵を立たせることが可能であることを明らかにしたのです。
わかってみれば何でもない話ですが、どうして気が付かなかったのかというところが問題だ、と博士は指摘しています。先入観にとらわれていないか、常識だと思っていることも「本当にそうだろうか」と問い直してみることの重要性を教えています。「問題は、そういうなんでもないことに、世界じゅうの人間がコロンブス以前の時代からこんにちまで、どうして気がつかなかったかという点にある。それは、五分間くらいついやしてたまごを立ててみようとした人が、いままでだれもいなかったからである」。
コツをつかむと簡単に卵を立てることができました。
更にいろいろな材質の上でも卵を立てることもできました。皆さんも卵立てに挑戦してみてはいかがでしょうか?
なお、卵は食品です。実験の前後には必ず手洗い、丁寧に卵を取り扱いましょう。